店舗什器・ディスプレイ什器・厨房まわりの備品にステンレスを採用する動きは、アパレルから食品、ドラッグストア、飲食まで業種を問わず広がっています。中でも「ワイヤー(線材)」を成形して作る什器は、抜け感のあるデザイン性と軽さ、清掃性を兼ね備え、板金什器とはまた違った価値を持ちます。
本ページでは、ステンレス什器の材料選びの考え方、ワイヤー什器の種類と設計の目安、そして株式会社シンドーが仕様提案から線材加工、板金・切削部品、表面処理、組立までをまとめてお引き受けするOEM製作体制についてご紹介します。什器メーカー様、店舗設計・内装会社様、販促・SP会社様のOEMパートナーをお探しの方はぜひご覧ください。
1. ステンレス什器が選ばれる理由
錆びにくく美しさが続く
什器の材料としてステンレスが選ばれる最大の理由は「錆びにくく、長く美しい状態を保てること」です。スチールに塗装やメッキを施した什器は、キズや端面から錆が進行しやすく、特に水まわり・食品売場・屋外に近い場所では数年で見た目が劣化します。ステンレス(SUS304)は表面の不動態皮膜が自己修復するため、塗装が剥がれて錆びるという心配がありません。
清掃性が高い
食品・化粧品・医療系の売場やバックヤードでは、アルコールや洗剤での拭き取り、場合によっては水洗いが日常的に行われます。ステンレスはこうした洗浄に強く、電解研磨を施した表面は汚れが付着しにくく、拭き取りも容易です。
上質さ・清潔感を演出
ステンレスならではの質感は「上質さ」「清潔感」を演出します。ヘアライン、バフ研磨、電解研磨など仕上げによって印象を変えられるため、ブランドの世界観に合わせた表現が可能です。
初期コストはスチールより高くなりますが、塗り替えや買い替えの頻度が下がるため、長期で見ればトータルコストを抑えられるケースも多くあります。
2. 什器の材料別比較|スチール・ステンレス板金・ワイヤー・木製
什器に使われる主な材料を比較すると、それぞれの向き不向きが見えてきます。以下は設計の初期段階で検討いただくための目安です。
| 材料 | 耐食性 | 重量 | 清掃性 | デザインの抜け感 | コスト目安 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| スチール(塗装・メッキ) | △ キズから錆びる | 重い | △ | ○ | 低 | 短期イベント、屋内乾燥環境 |
| ステンレス板金 | ◎ | 重い | ◎ | △ 面で見せる | 高 | カウンター、ショーケース枠、厨房台 |
| ステンレスワイヤー | ◎ | 軽い | ◎ | ◎ 線で見せる | 中〜高 | 陳列バスケット、ラック、フック、ワゴン |
| 木製 | ×(水に弱い) | 中 | △ | △ | 中 | アパレル、雑貨のナチュラル演出 |
ステンレスワイヤー什器の特徴は、「板金と同じ耐食性・清掃性を持ちながら、軽く、視線や照明を遮らない」点にあります。商品を主役にしたい売場、通路側からの視認性を確保したい島什器、可動式のワゴンやバスケットなど、線材ならではのメリットが活きる場面は多くあります。
3. ワイヤー什器の主な種類
線材を曲げ・溶接して作れる什器の代表例を挙げます。いずれもSUS304線材をベースに、寸法・線径・段数・仕上げをご要望に合わせて設計します。
陳列バスケット・ワイヤーカゴ
野菜・果物・パン・雑貨・小物などをまとめて見せる什器です。底面のメッシュピッチ、深さ、傾斜角を商品の大きさに合わせて設計します。ゴンドラ棚に引っ掛けるハンギングタイプ、平台に置くスタンドタイプ、キャスター付きのワゴンタイプなどがあります。
ワイヤーラック・シェルフ
多段のワイヤー棚で構成するラックです。棚板を線材で組むことで軽量化と通気性を確保でき、冷蔵・冷凍ケース内や水まわりでも使いやすい什器になります。棚の耐荷重は線径と支持ピッチで調整します。
フック・ハンガーバー・ディスプレイスタンド
吊り下げ陳列用のフック、アパレル向けのハンガーバー、卓上のディスプレイスタンドなど、比較的細い線径で作る小物什器です。曲げ精度と溶接部の仕上がりが見た目を左右するため、ここに一貫生産の差が出ます。
ガード・仕切り・落下防止
棚前面のストッパー、商品の仕切り、機器まわりのガードなど、安全性と視認性を両立する部材です。当社は従来から各種ガード類のワイヤー成形を手掛けており、什器用途にも同じノウハウを応用できます。
4. 線径・仕上げの目安
ワイヤー什器の設計では「線径」と「表面仕上げ」が主な検討項目です。以下は設計初期の目安であり、実際の寸法・荷重条件に応じてご提案します。
線径の目安
| 線径(SUS304) | 主な使いどころ | 備考 |
|---|---|---|
| φ1.2〜2mm | メッシュ面、小物フック、装飾ワイヤー | 細く軽い。荷重は支持構造で受ける |
| φ2〜4mm | バスケット本体、棚のワイヤー、ハンガーバー | 什器で最も多く使う範囲 |
| φ4〜6mm | 棚の枠、支柱、フレーム | 溶接構造で剛性を確保 |
| φ6〜8mm | ワゴンの脚部、重量物用ラックの枠 | 重量物向け。板金部材との併用も検討 |
表面仕上げの種類
| 仕上げ | 見た目 | 特徴 |
|---|---|---|
| 電解研磨 | 光沢のある滑らかな面 | 溶接跡・微小なバリを除去し清掃性向上。食品・医療系売場に |
| バフ研磨 | 鏡面に近い光沢 | 高級感の演出。線材全体の研磨は工数増 |
| 素地(酸洗い仕上げ) | 落ち着いたマット調 | コスト重視、バックヤード用途 |
5. シンドーのOEM製作体制|仕様提案から組立・梱包まで
株式会社シンドーは1947年創業、新潟県燕三条エリアのステンレス線材加工メーカーです。ステンレス什器のOEM製作では、得意とする線材加工を軸に、板金・切削部品、表面処理、組立までを当社が窓口となって一括でお引き受けします。
- 仕様提案:用途・設置場所・陳列商品をもとに、構造・材料・線径・仕上げをご提案。線材と板金の使い分けなど、コストと強度のバランスも検討します
- 線材調達・加工:SUS304ステンレス鋼線をφ1.2〜8mmの範囲で自社調達。ワイヤーフォーミングによる2D・3D曲げと溶接で、枠・フック・バスケットなどを製作します
- 板金・切削部品:天板・棚板・ベースなどの板金部品や、接合金具・ジョイントなどの切削部品も手配し、線材部品と組み合わせて製作します
- 表面処理:電解研磨を自社で実施。溶接後の一体品を処理するため、部分ごとの色ムラが出にくい仕上がりになります。用途に応じてバフ研磨などの仕上げもご提案します
- 組立・検査・梱包:キャスター、樹脂キャップ、価格表示レール等の部材を組み付け、検査のうえ梱包・出荷します
線材・板金・切削・表面処理をそれぞれ別の会社に発注すると、工程が分かれるほど納期は伸び、寸法の整合や品質のばらつき、責任範囲の曖昧さも生まれます。当社では窓口を一本化し、材料から完成品までを一括で管理するため、設計変更への対応や品質のトレーサビリティに優れています。
6. OEM・ODM対応の範囲
当社は、什器メーカー様・店舗設計会社様・販促会社様・商社様の製造パートナーとして、次のような形でお役に立てます。
図面支給によるOEM製作
貴社設計の什器を当社で製造。線材に適した構造への変更提案も可能です。
企画段階からのODM製作
用途・設置場所・陳列商品の情報をもとに、構造・材料・線径・仕上げを当社で設計提案します。
線材+板金・切削の複合什器
線材フレームに板金の棚板・天板や切削加工の金具を組み合わせた什器も、一括でOEM製作します。
既存什器の材質変更
スチール什器のステンレス化、木製什器の一部ワイヤー化などに対応します。
部材のみの供給
バスケット、フック、ガードなど什器の一部パーツを製作し、貴社で組み込んでいただけます。
表面処理・組立まで完成品で納品
電解研磨などの表面処理、購入部品の組み付け、検査・梱包まで行い、完成品として納品します。
ロットは試作1台からの対応が可能で、店舗展開に合わせた量産にも対応します。キャスターや樹脂部材などの購入部品も含めて手配し、完成品として納品いたします。
7. 製作の流れと設計時のご相談ポイント
製作の流れ
- ヒアリング:用途、設置場所、陳列商品、数量、希望納期、参考写真や図面
- 設計・お見積り:線径、構造、仕上げの提案とお見積り
- 試作:現物で寸法・強度・見た目を確認。必要に応じて修正
- 量産・納品:検査、梱包のうえ納品。継続生産にも対応
設計時にご相談いただきたいこと
ワイヤー什器の設計で後から問題になりやすいのは「荷重」と「設置環境」です。
荷重
陳列する商品の重さと量、お客様が寄りかかる可能性、キャスター移動の有無によって、必要な線径や補強の入れ方が変わります。
設置環境
水がかかる場所、塩素系洗剤を使う場所、屋外に近い場所では、仕上げの選定が耐久性に直結します。
こうした条件を最初にお聞かせいただければ、過剰な仕様でコストを上げることも、強度不足で不具合を起こすことも避けられます。図面がない段階でも、手描きのスケッチや参考商品の写真からご提案が可能です。
8. よくある質問
-
1台だけの製作でも対応できますか?
-
試作や単品での製作も承ります。自社で線材を在庫しているため、少量でも材料手配で納期が延びることがありません。
-
図面がなくても相談できますか?
-
可能です。設置場所の写真、陳列したい商品、おおよそのサイズをお知らせいただければ、当社で構造をご提案します。
-
線材以外の部材と組み合わせられますか?
-
板金・切削部品はもちろん、木製・樹脂など金属以外の部材も含めてご要望に合わせて手配し、組立まで行った完成品として納品可能です。
-
屋外や水まわりでも使えますか?
-
SUS304は屋内の水まわりでは十分な耐食性を発揮します。海沿いや塩素濃度の高い環境では条件をお聞かせください。仕上げや構造で対策をご提案します。
9. まとめ
ステンレスワイヤー什器は、耐食性・清掃性・軽さ・デザイン性を兼ね備え、店舗の売場からバックヤード、厨房まわりまで幅広く活躍します。その品質を左右するのは、線材の選定、曲げ・溶接の精度、そして仕上げの一貫性です。
株式会社シンドーは、仕様提案から線材加工、板金・切削部品、電解研磨などの表面処理、組立・梱包までを一括でお引き受けし、什器メーカー様や店舗設計会社様のOEM・ODMパートナーとしてお応えします。ステンレス什器の製作先をお探しの方は、お気軽にお問い合わせください。
